人生詰んでも酒を飲む

生まれてこのかた、生きることを面倒に感じなかった瞬間はなかった。そんな僕もお酒を飲んだら元気になります。

「しょぼい起業」で隠れて生きる

 キーワード:エピクロス、「隠れて生きよ」、しょぼい企業、過剰適応、パーソナリティ障害

 

こんにちは。詰んでる君です。

前回、上記のエントリーでキャリアパスが崩壊した旨を書きました。そして、そのなかで、自らの過剰適応気味な性格を取り上げ、自らの本当にやりたいこととは何なのかということを考え始めたところです。

 

そして、僕の目指すべきはやはり、エピクロスの言うアナムネーシス(魂の平穏)にあるのではないかと考えました。これまでのエントリーでは、エピクロスのいう「隠れて生きよ」の実践は、若さという資源のある期間に限られており、老後は孤立や孤独死を免れないのではないかという結論に達していました。

この話題を最初に取り上げたのが上記の記事です。

こうした生き方の具体的な事例として、小屋を建ててひっそりと暮らすという「Bライフ」という生き方を選択した方々について触れながら考えてみてもいました。

 

いろいろシミュレーションしながら、「隠れて生きよ」は絵空事なのかと諦めかけていました。しかし、えらいてんちょう氏の『しょぼい起業で生きていく』という本を読んでみて、ここには光明があるのではないかと感じました。

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しょぼい起業で「隠れて生きよ」

えらいてんちょう氏のいうしょぼい起業とは、とても簡単に言えば、「暮らしの延長のような形で店舗を構え、店に集まってきた人たちと信頼関係を築いて手伝ってもらいながら経営してみよう」というような内容です(簡単に言いすぎて、本を読まれていない方には何が何だかわからないかもしれません。目からウロコといった内容ですので、ぜひお手に取ってみてはいかがでしょうか)。

これを読んだときに、すぐに「隠れて生きよ」という言葉がよぎりました。(1)必要最低限の欲求充足をする(必要以上の利潤を追求するのではなく、暮らしていくことを主眼においている)ことと、(2)信頼できる仲間内のコミュニティを形成して仲良く暮らすことというのは、エピクロスの思想と通ずるものがあります。そして、しょぼい起業ではこれらを形成、維持するのに十分な要素が整っていると考えられます。

(1)に関して、これまでのエントリーでは責任の少ない非正規雇用につくことや、貯金の切り崩しに自給自足などを組み合わせて生計をたてることを考えていました。しかし、これらの方法は、40代を過ぎてからは通用しずらくなってしまう可能性があります。一方で、しょぼい起業では店舗という基盤によって生計を立てることが可能です。自らがオーナーになってしまえば、年老いようが商いさえ軌道に乗っていればまだなんとかなりそうな気がします(これについては、僕は全くの門外漢なので自信をもっていえることではないですが)。しかも、自分の生活と商いがオーバーラップしているという点も心強いとおもいます。

(2)に関して、これまでのエントリーではこのことが最大の懸案となっていました。すなわち、ある程度歳がいって社会的地位もなく貧乏暮らししている人とかかわってくれる人などいないのではないか、コミュニティを何とか作ろうとしてもいびつになってしまうのではないか、とういったことが考えられていました。一方で、しょぼい起業では、店舗という場で信頼関係を広げていけば、そこに人が集まる限り、孤立してしまうことはなさそうです。

 

 

しょぼい起業と「信頼するという能力」

一方で、僕の気質からするとしょぼい起業が難しい可能性があります。つまり、僕は他人に対しての信頼感や安心感が低く、回避的であるということです。これまでの、エピクロスに関するエントリーが絶望的な結論になっていたのも、他人との新たな信頼関係を築くということから無意識に目を背けていたことに起因するのではないでしょうか。このため、僕がしょぼい起業を成り立たせるためには人間的に成長する必要がありそうです。

 僕は、典型的な「回避性パーソナリティ障害」なのではないかと疑っています(診断されているわけではありませんが、行動の傾向が典型的です。道端で知り合いを見かけると気づかれないようにしたり、人と親しくなることが怖かったりします。)。あるいは愛着障害というくくりになるのかもしれませんし、自己肯定感が低いといわれるかもしれません。精神科領域における、こうした類似の概念の関係性についてはここでは議論しません。しかし、いずれにしろ、パーソナリティとしては未熟であって、成長することで適応が容易になるものであるといわれています。

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僕は現在、ある意味での苦境に立っています。しかし、これはチャンスに他ならないとおもいます。これまでのようにやりたくもないことを我慢してやって自分をだまし続けていたら、反対に一生成長の機会を失ってしまうかもしれません。アルコールなどへの依存を深めて、事態が悪化していたかもしれません。

 

今なら、二本の足で、周りの支えを得ながら歩いていけそうな気がしています。『しょぼい起業で生きていく』中、えらいてんちょうさんとPhaさんの対談のなかで「現世なんて遊び」という言葉が出てきます。これは、なんとも励まされる言葉です。つい最近まで、意味もなく自分は「社会の落伍者」だと思い込んでいた僕も、肩ひじ張らずに、少しずつ着実に取り組んでみたいという気持ちになっています。ひとまず、前向きにやってみます。